技術情報

第35号 高密度タングステン合金『ヘビーアロイ』精密加工について

1.はじめに

セラミックス、超硬合金は、耐熱性、耐磨耗性などすぐれた性質から、機械構造用部品をはじめ、さまざまな分野で使用されています。これら部品は、用途の広がりとともに、複雑形状、高精度な寸法、面性状への要求が高まっています。このような要求に答えるため、弊社では材料特性の向上を【進めるとともに、精密加工に取り組んでおります。以下に、精密加工の事例をご紹介いたします。

2.精密加工事例

2-1 鏡面研削加工
セラミックス、超硬合金の加工は、通常のダイヤモンドによる研削、ラッピングが主体です。例えばセラミックスで鏡面(面粗度Rmax×0.1μm以下)を得ようとすると、通常ラッピングで、ダイヤモンドの粒度を段階的に変えて加工を行います。ただラッピング加工は、一般に形状精度の保持が難しく、加工能率が低いものです。そこでダイヤ砥石による鏡面研削加工を行いました。鏡面加工を行うには、従来の脆性破壊による研削加工ではなく、サブミクロンの微少切り込みを行い、塑性変形に近い形での材料除去を行うことが重要です。そのためには微少な砥粒を使用して、研削加工圧を小さくし、ラッピングに近い状態で研削加工を行います。
(1)平面加工
立型の平面研削盤使用して、各種セラミックスの研削を行いました。図1に、砥粒径と加工面の面粗さ(クリステップによる測定)の関係を示します。砥粒径が小さくなると面粗さは急激に小さくなります。SiC(CVD),AL3O-TiC、バインダレス超硬の材料では#8000砥石での加工で、光学的面(Rmax10nm以下)が得られます。(写真1参照)
このような鏡面を得るためには、材料特性が非常に重要です。まず材料に微細な気孔等の欠陥がないこと、また結晶粒が均一で小さいことが必要です。
2-2レーザー加工による微細加工
微細加工の一例として、レーザー加工による溝加工例(材料AL3O-TiC)を示します。(写真2参照)弊社名の文字は、大きさ約0.1mmで線幅約20μmの溝で加工したものです。このようなマーキングをはじめ、微細な溝加工、穴加工が、セラミックス、超硬合金他に、簡単に能率よくできます。特に導電性のない材料の加工で有効といえます。

セラミックス、超硬合金の加工事例をご紹介しましたが、私どもは今後も新材料に精密加工を付加し、高品質な製品を提供していきたいと考えております。

(研究開発センター:山崎)

ニッタン技報 

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